紙で配らない、在庫を持たない。小さな事業ができる環境負荷の減らし方

ノートパソコンの前で微笑む女性。小さな事業ができるサステナビリティを考える記事のアイキャッチ画像

小さな事業のサステナビリティ」は、環境配慮を特別な取り組みとして切り離すのではなく、日々の事業運営の中で無理なく続けられる判断として捉えるシリーズです。今回は、紙で配る資料や持ちすぎる在庫を見直し、小さな事業ができる環境負荷の減らし方について整理します。

環境負荷を減らす取り組みというと、大きな設備投資や専門的な制度対応を思い浮かべるかもしれません。けれども、小さな事業にとって現実的なのは、まず日々の運営の中で、紙や在庫、資料の扱い方を見直すことです。

社会事業開発ACTIONでは、ローカルメディアを紙のフリーペーパーではなくWEBメディアとして運営し、企画書や取材前のご案内、同意書などもPDFで共有する形を基本にしています。紙を使うことを否定するのではなく、必要以上に増やさない。その判断を、事業運営の中に少しずつ取り入れています。

本記事では、小さな事業ができる環境負荷の減らし方について、WEBメディア運営、PDF資料、対面時のタブレット活用という当組織の実践をもとに整理します。

紙ではなくWEBを選ぶことは、在庫を持たない運営につながる

重なった紙の冊子。紙ではなくWEBメディアを選ぶことで在庫を持たない運営を表す画像

Re:HIRAKATAを立ち上げる前、友人に「ローカルメディアを作ろうと思う」と話したところ、紙のフリーペーパーを想像されたことがありました。今でも「フリーペーパーですか?」と聞かれることは少なくありません。

地域メディアという言葉から、駅や店舗に置かれている紙の冊子を思い浮かべる方は多いのだと思います。手に取ってもらいやすい、地域の中で存在を知ってもらいやすいという良さもあります。一方で、紙で発行する場合は、印刷部数、配布先、保管場所、残部の扱いを常に考える必要があります。

Re:HIRAKATAは、紙ではなくWEBメディアとして運営しています。WEBであれば、紙の在庫を抱える必要がありません。配り切れなかった分を廃棄することもなく、必要な人が必要なタイミングで記事にアクセスできます。公開した記事は一度きりの配布物ではなく、検索や内部リンクを通じて後から読まれる可能性も残ります。

さらに、WEBの記事は公開後に修正や追記ができます。営業時間、リンク、表現、画像の差し替えなど、情報が変わったときに更新できることは、地域情報を扱うメディアにとって大きな利点です。紙を刷って終わりではなく、情報を育てていけることも、WEBを選ぶ理由のひとつでした。

もちろん、紙媒体には紙媒体の役割があります。ただ、社会事業開発ACTIONとしては、まず自分たちが運営するメディアにおいて、在庫を持たず、廃棄を増やさず、情報を資産として積み上げられる形を選びたいと考えました。WEBメディアという選択は、発信の効率だけでなく、小さな事業ができる環境負荷の軽減にもつながっています。

資料をPDFで共有し、タブレットで説明する

タブレットにペンで書き込む手元。PDF資料を共有しながら説明する場面を表す画像

ACTIONでは、企画書、取材前のご案内、同意書などの資料を、基本的にPDFで作成しています。メールに添付したり、クラウド上のリンクを共有したりすることで、相手が必要なタイミングで確認できる形にしています。

事前にPDFを送っておくと、相手の方にも先に内容を見ていただけます。当日は一からすべてを説明するのではなく、資料を見てもらったうえで、補足が必要な部分を説明できます。話の前提が共有されているため、相手にとっても内容を理解しやすくなります。

紙の資料を郵送したり、直接届けたりする場合、印刷だけでなく配送の手間や移動も発生します。PDFであれば、印刷や配送にかかる資源・移動を抑えながら届けられます。受け取る側も、好きな時間に、好きな場所で確認できるため、双方にとって負担の少ない方法です。

また、対面で打ち合わせをする場合は、タブレットを持参しています。画面に資料を表示しながら説明し、必要なメモはペンタブで資料の余白に書き込むようにしています。

タブレットには紙のような質感のシートを貼っているため、画面がツルツルしすぎず、紙に近い感覚で書き込めます。手書きのメモを残しながらも、紙のメモを何枚も持ち歩く必要がなくなりました。

あとから内容を見返すときも、資料とメモを一緒に確認できます。紙を減らすために無理をしているというより、実務として扱いやすい形を選んだ結果、紙を増やさない運用につながっています。

相手に強要せず、できる範囲から環境負荷を減らす

ノートにペンで書き込む手元。紙の使用を否定せずできる範囲で環境負荷を減らす考え方を表す画像

紙を使わない運用を心がけていても、それを相手にまで強要したいわけではありません。資料や同意書は、印刷して確認した方が読みやすい方もいます。社内共有や保管の都合で、紙の方が扱いやすい場合もあります。

だからこそ、社会事業開発ACTIONでは「紙を使わないこと」を正解として押しつけるのではなく、まず当組織の側でできることから整えるようにしています。WEBメディアとして運営すること、資料をPDFで共有すること、対面時にはタブレットを活用すること。どれも大きな制度や設備がなくても始められる、小さな実践です。

大企業のように、地球規模の大きな変化をすぐに生み出せるわけではありません。それでも、日々の判断の中で紙の使用や無駄な在庫を少しずつ減らすことはできます。負担を増やさず、続けられる形で環境負荷を減らしていくことも、小さな事業にとって現実的なサステナビリティだと考えています。

社会事業開発ACTIONのサステナビリティへの考え方

本記事で紹介した紙の使用や在庫を抑える考え方は、社会事業開発ACTIONが事業運営の中で大切にしているサステナビリティの一部です。

当組織では、環境負荷を必要以上に増やさない運営を心がけながら、情報発信、オンライン活用、取材・制作の進め方など、できるところから具体的な見直しを行っています。

社会事業開発ACTIONがサステナビリティについてどのように考え、どのような取り組みを進めているかは、以下のページでご覧いただけます。


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紙で配らない、在庫を持たない。小さな事業ができる環境負荷の減らし方


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堀 寛未

社会事業開発ACTION代表。大阪府枚方市を拠点に、広報・ブランド設計・情報発信支援を行っています。ローカルメディア「Re:HIRAKATA」では、取材・記事制作・発信設計を一貫して担い、事業や地域の取り組みを、伝わる言葉と構成に整えることを得意としています。

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