研修・セミナーを依頼する前に、まず整理したい3つのこと

研修・セミナーの依頼前に目的や対象者を整理するイメージ

研修・セミナー依頼の設計書」は、研修やセミナーを単発の実施で終わらせないために、依頼前に考えておきたいことを整理する全3回のシリーズです。今回は、依頼前に確認しておきたい目的・対象者・依頼範囲を整理します。

研修やセミナーを外部に依頼するとき、最初に決めるべきことは「誰に頼むか」ではありません。まず整理すべきなのは、なぜ実施するのか、誰に向けて行うのか、どのような課題を扱いたいのかです。

この3点が曖昧なまま講師やテーマを探し始めると、当日の内容が一般論に寄りやすくなり、自社の状況に合わない研修になってしまいます。この記事では、研修・セミナーを依頼する前に確認しておきたい基本項目を、依頼側の視点から整理します。

研修・セミナーの目的を「実施すること」で止めない

研修で講師が目的に沿って説明している様子

研修やセミナーを外部に依頼するとき、最初に整理したいのは「何を実施するか」ではなく、「なぜ実施するのか」です。

新入社員向けの研修を行いたい、広報について学ぶ機会をつくりたい、地域事業者向けに情報発信の講座を開きたい。こうしたテーマ自体は大切ですが、テーマだけでは、研修の設計としてはまだ十分ではありません。目的が曖昧なまま進めると、内容は一般的な知識提供に寄りやすくなり、参加者にとっては「勉強になった」で終わってしまうことがあります。

たとえば、同じ「広報研修」でも、目的によって設計は変わります。広報の基礎知識を共有したいのか、自社の商品やサービスの伝え方を見直したいのか、社内で発信を続ける体制をつくりたいのか。目的が変われば、扱う内容、ワークの有無、資料の構成、事前ヒアリングで確認すべきことも変わります。

研修・セミナーの目的は、「開催すること」ではなく、その後にどのような判断や行動につなげたいのかまで含めて考える必要があります。依頼前の段階で目的を言語化しておくことで、講師側も内容を調整しやすくなり、参加者にとっても自分の業務や活動に引き寄せて受け取りやすくなります。

まずは、「この研修によって、誰に、どのような変化を起こしたいのか」を確認することが出発点です。そこが整理されているだけで、講師選びやテーマ設定は大きくぶれにくくなります。

対象者の課題と現在地を具体的にする

研修を受ける参加者の立場や現在地を確認するイメージ

研修・セミナーを依頼するときは、テーマだけでなく、参加する人の状態を具体的にしておくことが重要です。同じテーマを扱う場合でも、対象者の立場や経験値によって、伝えるべき内容は大きく変わります。

たとえば、同じ「広報研修」を行う場合でも、参加者が経営者なのか、広報担当者なのか、現場スタッフなのかで、必要な内容は異なります。経営者であれば、広報を事業戦略や集客導線の中でどう位置づけるかが重要になります。広報担当者であれば、発信テーマの整理、メディア対応、運用の優先順位などが課題になりやすくなります。現場スタッフであれば、日々の業務や顧客対応の中から、発信につながる情報をどう拾うかが中心になります。

また、初心者向けなのか、すでに広報や情報発信に取り組んでいる人向けなのかも、事前に整理しておきたい点です。基礎から説明する必要があるのか、実際の発信内容や導線を見直す段階なのかによって、講義中心にするのか、ワークを入れるのか、事例をどの程度具体化するのかが変わります。

依頼したい範囲と期待する役割を明確にする

講師と参加者が対話しながら研修を進める様子

研修・セミナーを依頼する前には、講師にどこまで関わってほしいのかも整理しておく必要があります。たとえば、すでに「プレスリリースの書き方を学ぶ」「SNS発信の基本を学ぶ」などテーマが決まっている場合は、その内容に沿って講義を依頼する形でも進めやすくなります。

一方で、「広報を強化したいが、何から学ぶべきかわからない」「発信しているが問い合わせにつながっていない」という段階では、研修テーマそのものを整理するところから相談した方がよい場合もあります。

また、講師に期待する役割も明確にしておきたい点です。広報の基本を解説する講師として依頼するのか、自社の発信課題を整理する壁打ち相手として入ってもらうのか、参加者が実務に落とし込めるように進行するファシリテーターとして関わってもらうのか。求める役割によって、準備すべき資料や事前共有の内容、当日の進め方は変わります。

依頼前に、講師に任せたい範囲と、当日果たしてほしい役割を整理しておくことで、見積もりや準備内容の認識ずれも防ぎやすくなります。研修・セミナーを依頼するときは、「何を話してもらうか」だけでなく、「どこまで一緒に設計してほしいのか」まで明確にしておくことが重要です。

研修・セミナーの依頼内容を、実施前に整理したい方へ

社会事業開発ACTIONでは、研修・セミナーのテーマ設定、対象者の整理、当日の内容設計までを含めて、目的に合わせた講座・研修の設計を行っています。

研修やセミナーを依頼したいものの、目的や内容をどうまとめればよいか迷っている方は、講座・セミナー・登壇のご相談フォームよりお問い合わせください。

次回は、研修・セミナーで失敗しない講師選びについて整理します。


CONTENTS
研修・セミナーを依頼する前に、まず整理したい3つのこと
研修・セミナーで失敗しない講師選び。実績より「自社に合うか」で考える
開催して終わりにしない。研修・セミナーを実務につなげる行動設計と社内共有


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堀 寛未

社会事業開発ACTION代表。大阪府枚方市を拠点に、広報・ブランド設計・情報発信支援を行っています。ローカルメディア「Re:HIRAKATA」では、取材・記事制作・発信設計を一貫して担い、事業や地域の取り組みを、伝わる言葉と構成に整えることを得意としています。

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