「問い合わせにつながるコーポレートサイトの作り方」は、コーポレートサイトを単なる会社案内ではなく、問い合わせにつながる導線として機能させるための考え方を整理する全6回のシリーズです。前回は、ブランドカラーを事業の印象をつくる設計要素として捉え、問い合わせ前の信頼形成につながる視覚表現の考え方を整理しました。
今回は、お問い合わせフォームの設計について考えます。
コーポレートサイトにフォームを設置していても、それだけで問い合わせが増えるわけではありません。入力欄の数、項目の並び、相談内容の分け方、フォームに辿り着くまでの導線によって、相談のしやすさは大きく変わります。
問い合わせ前の訪問者は、まだ依頼内容が明確に整理できていないこともあります。だからこそ、フォームには情報を受け取る役割だけでなく、相談内容を整理し、送信前の不安を減らす役割があります。
この記事では、コーポレートサイトの問い合わせ率を高めるために、お問い合わせフォームをどのように設計すればよいのかを、入力欄・項目設計・導線整理の観点から考えます。
入力欄は、訪問者の負担が小さい順番で設計する

お問い合わせフォームの入力欄は、ただ項目を並べればよいわけではありません。訪問者が迷わず入力を進められるように、負担が小さい項目から順番に配置することが重要です。
たとえば、氏名、メールアドレス、会社名、電話番号などの基本情報は、深く考えなくても入力しやすい項目です。最初にこうした項目を置くことで、訪問者はフォームへの入力を始めやすくなります。
次に、問い合わせ種別や希望する相談内容など、ラジオボタンやチェックボックスで選べる項目を配置します。選択式の項目は、自由記述よりも心理的な負担が小さく、相談内容を整理する入口としても機能します。
一方で、自由記述欄のように文章で説明する項目は、後半に配置した方が自然です。最初から詳しい相談内容を求められると、何を書けばよいか分からず、途中で離脱される可能性があります。
また、入力欄の数は少なければよいというものでもありません。項目が多すぎると面倒に感じられますが、少なすぎると相談内容が曖昧になり、初回返信や提案の精度が下がります。必要な情報に絞りながら、送信者が答えやすい順番に整えることが大切です。
項目設計は、現在地・課題・希望を整理できる形にする

お問い合わせフォームの項目設計では、企業側が知りたい情報だけを並べるのではなく、訪問者が自分の状況を整理しながら入力できる流れをつくることが重要です。
商品やサービスを検討している訪問者は、最初から相談内容を明確に言語化できているとは限りません。なんとなく困っている、比較検討している、詳しい話を聞いてから判断したいという段階でフォームに辿り着くこともあります。
そのため、フォームでは「現在地」「課題」「希望する状態」の3つを整理できる項目を用意しておくと、相談内容が具体化しやすくなります。
現在地とは、訪問者が今どのような状況にあるのかという情報です。たとえば、すでに類似の商品・サービスを利用しているのか、初めて検討しているのか。個人として相談したいのか、会社や団体として導入を検討しているのか。現在の状況が分かると、企業側は相手の前提を把握しやすくなります。
次に、課題です。訪問者は、何かしらの不便、不安、困りごと、改善したいことを抱えてフォームに辿り着いています。どのようなことで困っているのか、何を解決したいのかを入力しやすくしておくことで、企業側は商品・サービスのどの価値を伝えるべきか判断しやすくなります。
最後に、希望する状態です。購入したいのか、導入前に詳しい説明を受けたいのか、見積もりがほしいのか、まずは相談したいのか。訪問者が次に何を望んでいるのかが分かれば、返信内容や提案の進め方を整えやすくなります。
項目設計の目的は、質問を増やすことではありません。訪問者が自分の状況を整理しながら入力でき、企業側も相談内容を正しく受け取れる状態をつくることです。現在地、課題、希望を無理なく確認できるフォームにすることで、問い合わせは単なる連絡ではなく、具体的な相談へ進みやすくなります。
導線整理で、フォームに辿り着く前の迷いを減らす

お問い合わせフォームの改善では、フォームそのものだけでなく、フォームへ辿り着くまでの導線も重要です。どれだけ入力しやすいフォームを用意していても、訪問者が問い合わせボタンやリンクを見つけられなければ、相談にはつながりません。
コーポレートサイトでは、問い合わせ導線を一か所だけに置くのではなく、訪問者が行動を起こしやすい場所に複数配置しておく必要があります。たとえば、グローバルメニュー、フッターメニュー、サービスページの途中や末尾、記事の末尾などです。ページを読み終えたタイミングで「相談する」「問い合わせる」という選択肢が見えると、訪問者は次の行動に移りやすくなります。
スマートフォンでの見え方も重要です。スマホでは画面幅が限られるため、グローバルメニューがハンバーガーメニューの中に隠れることがあります。その場合、問い合わせ導線がメニュー内だけにあると、訪問者が気づかない可能性があります。必要に応じて、フッターバーやボトムナビゲーションに問い合わせへの導線を置くことで、どのページからでも相談へ進みやすくなります。
また、問い合わせ導線は目立てばよいわけではありません。ページの内容と無関係に強いボタンを何度も表示すると、押し売りのように見えることがあります。大切なのは、訪問者が「詳しく聞きたい」「相談したい」と感じるタイミングに合わせて、自然にフォームへ進める導線を用意することです。
導線整理の目的は、問い合わせボタンを増やすことではありません。訪問者がフォームを探さなくても、必要な場面で迷わず辿り着ける状態をつくることです。表示位置を整えることで、お問い合わせフォームは単なる固定ページではなく、商品・サービスの検討から相談へ進むための接点として機能しやすくなります。
自社サイトの問い合わせ導線を見直したい方へ
コーポレートサイトにお問い合わせフォームを設置していても、入力欄、項目設計、表示位置が整理されていなければ、訪問者は相談前に迷ってしまいます。
社会事業開発ACTIONでは、トップページ、サービスページ、JOURNAL、お問い合わせフォームまでを含めて、事業の価値が伝わり、相談につながる導線設計を提案しています。
フォームを設置しているものの問い合わせにつながっていない、相談内容に合った項目設計や導線を見直したい方は、ブランド設計・広報支援のご相談フォームよりお問い合わせください。
次回は、コーポレートサイトのJOURNALに何を投稿すればよいのかを整理します。JOURNALを単なるお知らせや活動報告ではなく、問い合わせ前に専門性と依頼理由を伝える「営業担当」として機能させる考え方を見ていきます。
CONTENTS
問い合わせが生まれるコーポレートサイトは、トップページで何を伝えているのか。CTAと導線から考える入口設計
コーポレートサイトのデザインは、なぜ問い合わせ前の信頼を左右するのか。ブランドカラーと視覚表現から考える事業の伝え方
コーポレートサイトのフォームは、あるだけでは問い合わせにつながらない。相談を生む設計と導線の最適解
コーポレートサイトのJOURNALは、問い合わせ前の営業担当。専門性と依頼理由を伝える記事でリードを獲得する
CTAから逆算する。コーポレートサイトのJOURNAL記事は、内容より先にゴールを決める
コーポレートサイトのJOURNALは、“有益な情報”だけでは選ばれない。失敗や迷いが、問い合わせの理由に変わる
